小児気管支喘息 |
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小児気管支喘息は4 歳までに患者の90%が発症し、日本ではこの10 年間で1.4 倍に 増加しており有病率は約6%といわれています。 吸入アレルゲンであるダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、真菌類が原因になる 場合がほとんどです。 またRS ウイルス感染による細気管支炎のような気道感染も 気管支の慢性炎症、リモデリング(気道壁が厚くなり内腔が狭くなり難治化する現象) を惹き起こし喘息発症原因になることがあります。 症状は咳、痰がらみ、喘鳴、呼吸困難などですが、軽症の場合は咳のみで 気道炎との鑑別が難しいケースがあります。 本人・家族にアレルギー素因がある場合、気道炎治療で治らない咳、 出たり消えたりを繰り返す長引く咳、夜間・早朝に多く日中落ち着く咳などは 喘息の可能性があり注意を要します。
治療方法は大別すると発作時治療と長期管理に分けられます。 発作時は主に気管支拡張剤を用います。 β刺激薬(メプチンなど)の吸入・内服や貼り薬(ホクナリンテープなど)、 テオフィリン(テオドールなど)内服・アミノフィリン(ネオフィリン)の点滴が主体です。 効果がない場合ステロイドを投与します。
長期管理は発作型分類に従って治療ステップを決めます。 間欠型(咳、喘鳴が年に数回)は発作治療のみ
軽症持続型(症状が月に1 回以上、週1 回未満)は 吸入ステロイド(フルタイド、パルミコートなど)、 ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノンなど)、 抗アレルギー薬(インタールなど)を用います。
中等症持続型(症状が週1 回以上)はβ刺激薬、テオフィリンを追加します。
重症持続型(症状が毎日持続)はβ刺激薬を更に追加します。
それでも症状がよくならない場合、入院が必要になります。
症状が安定したら数週間~数ヶ月の単位で効果の少ない、または副作用の多い 薬剤から減量します。 環境整備はダニの繁殖を抑えるために湿度50%以下にすること、 タバコの煙を吸わせないことが大切です。 またフローリング、布製品のこまめな洗濯、ふとん干し・掃除、 ふとんシーツや枕カバーの防ダニ製品使用なども重要です。 |