人間ドックのすすめ |
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私は以前より保険外の全身検診のメニューは胸とお腹を同時に撮影するCTと血液検査、尿検査、便潜血、胃内視鏡、心電図が理想的だと感じていました。 この組み合わせは先の項で解説致しました病気の発見に寄与する可能性が非常に高いからです。 しかし一勤務医の立場では総合病院の人間ドック調整管理をすることは、経費や予約検査スケジュールなどの問題もあり無理なことでした。 しかも日常業務は肺癌、胃癌、大腸癌、甲状腺腫瘍、肝臓腫瘍、膵臓癌、食道癌、胆嚢炎、虫垂炎の手術、近年急増している生活習慣病を中心とした合併症の診療、抗がん剤やホルモン剤治療、放射線科への治療依頼、終末期癌の緩和療法が主な仕事でしたから、健康診断や人間ドックに携わることは全くありませんでした。 今回内科クリニックをはじめるにあたって、まず実現したいと思ったことが前述した自分のオリジナルドックの確立でした。さらに一種類のドックでは発見できない病気を逃さないようにしたいと考え、臓器別ドックを考案しました。 そのためには血管が描出される特殊撮影が可能な多列検出器CT、別名マルチスライスCTが必要でした。 当院のCTはそのタイプですから、脳血管と脳実質を撮影ができ脳ドックが可能です。 脳血管の動脈硬化には血液検査の腎機能、脂質検査も関連していますので、項目にいれました。肺ドックはまさしく肺癌の早期発見を目的とした検査です。肺のCTは勿論のこと、血液腫瘍マーカーとしてはCEAとシフラという非小細胞癌で代表的な腺癌と扁平上皮癌で上昇しやすい項目を採用しました。また肺癌だけではなくタバコや大気汚染でおこるCOPDの発見とそれによる肺のダメージ度合いの精密検査もおこないます。 消化器ドックは全身ドックのなかでも消化器のみもしくは骨盤内臓器までCTで撮影する検査です。 全身ドックと同様便潜血陽性で上部消化管に出血しそうな病気がなければ、日を改めて大腸内視鏡を受けていただきます。 当院には大腸内視鏡や健診・ドックをお受けになる方には専用の控え室をご用意していますので、体調管理が必要な方はどうぞお気軽にドックをお受け下さい。 なお、人間ドックのCTで造影剤を使用する条件として、過去に造影剤注射を受けられヨード剤アレルギーがなかった方と他のアレルギー疾患がない方に限ります。また造影剤使用料金として別途10,000円が必要になりますので、ご了承下さい。
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